蛍(艶ふ)

ゲンジボタル

夜の10時過ぎ、近くのコンビニへ歩いて行った帰り道のこと。屋敷にさしかかるところで暗闇のなか不規則に移動する一筋の淡い黄緑色の灯(ひかり)を確認しました。子供のころにみた懐かしい光景です。この灯(あかり)の正体はゲンジボタル。

上の写真は13年前に家の中に舞い込んできたゲンジボタルをPENTAX K10Dで撮影したものです。県展新人の部で入選した写真(タイトル:艶ふ)でもあり県展審査員のフォトグラファー板見浩史氏に講評をいただいた一枚でもあります。

町内で蛍の舞う場所はいくつかありますがこの写真を撮った時以来、家のまわりで蛍の灯(ひかり)をみたことはありませんでした。しばらくその灯(ひかり)を追いながらこの黄緑色の灯(ひかり)が乱舞する昔の風景を思い出しました。私が子供の頃このあたりは見渡す限りの水田で近くを流れる川もコンクリートで固められる前の自然環境を保っていました。

人工的につくられた美は現代社会を彩る刹那の美であるのに対して自然に在る美は太古の昔から彩られてきた普遍の美であると…そういった自然美を享受している幼い頃の自分が”其処”にいました。歳を重ねるたびに人は自然に回帰していくものだと切に感じた瞬間でした。。。