お施餓鬼

お施餓鬼1

毎年8月7日は菩提寺の施餓鬼供養となっています。昨年に続き今年もコロナ禍のため新施餓鬼のお檀家とお世話人のみの半日法要となりました。例年では一般のお檀家さんも含めての法要となるためお斎や片付けなども含め一日を通してのお勤めとなります。

お施餓鬼2

新施餓鬼の方がお越しになる前に仏旗である六金色旗(五色旗)をお世話人で準備して本堂の前に掲げます。「小部経典」の「無礙解道」に、仏陀が力をはたらかせる時、仏陀の体から青・赤・白・樺(橙)および「輝き」の六色の光が放たれる、と書かれていることに由来するデザインだということですが五色旗には五色しかありませんが六色目は「輝き」をあらわし、旗の六列目には独自の色は配されず、他の五色を上から順に並べた縞模様で表現されているとのことです。

ちなみに 「緑、黄、 赤、白、 樺(橙) 」の 各色は次のような意味となっています。

青は仏陀の頭髪の色で「定根」をあらわす。
黄は仏陀の身体の色で「金剛」をあらわす。
赤は仏陀の血液の色で「精進」をあらわす。
白は仏陀の歯の色で「清浄」をあらわす。
樺(橙)は仏陀の袈裟の色で「忍辱」をあらわす。
 ※インドやビルマ等のお坊さんがこの色の袈裟を身に着けています。

現在では紫が樺(橙)とされていますが「緑、黄、 赤、白、紫」の仏旗は旧来の仏旗とされていて古くからある寺院ではいまだにこの色の仏旗を使っているところも多くあります。ちなみに菩提寺は永禄年間(1558年~70年)開創とされています。

お施餓鬼3

門前にも吹き流しの仏旗をかかげます。風に吹かれて倒れないように吹き流し用に作られた石柱にロープで結わいていきます。下は巴結びにし緩まないようにして下から上に結わいていきます。

お施餓鬼4

本堂に安置されている本尊は阿弥陀如来立像で観音・勢至両菩薩を脇侍として祀られていますがこれらは平安時代の仏師定朝の作と伝えられいます。これら貴重な三尊像を前に毎年お位牌や卒塔婆を繰り出してはお勤めさせていただいていましたが、例年と違いお位牌や卒塔婆の繰り出しも少なく法要と片付けまでを含めても午前中だけで終了しました。お斎のかわりにお弁当とお茶をいただいて帰路につきました。家は新屋ですが父が他界し19年、母が他界し9年目となります。毎年の事ですが今年も無事お施餓鬼のお勤めが終わり無事にお盆を迎えることができます。今の自分が在るのはご先祖様のお蔭です。日々生きられていることに感謝します。

南無阿弥陀仏 合唱